助成金のノウハウ
2019.09.27
65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)をわかりやすく解説!
この記事は、65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)の制度の解説記事です。本助成金の申請をご検討されている方の助けになれば幸いです。
年金支給年齢が65歳に引き上げられた今日、定年後の再雇用制度などを利用し働いている労働者は少なくありません。ここに、ある会社で長年働いていた65歳(定年)を迎える労働者がいると仮定した場合、知識・経験面においても会社にとって貴重な人材であり、後継者育成等の面から考えても、今後も会社にとって重要な役割を果たすと考えられます。そのような労働者を「まだまだ働いてもらえるようにするにはどうすればいいだろう?」と考える事業主様も多いのではないでしょうか。
制度の概要
65歳超雇用推進助成金とは、 高年齢者が意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会を実現するため、65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を行う事業主に対して助成するものであり、次の3コースで構成されています。
- 65歳超継続雇用促進コース
- 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
- 高年齢者無期雇用転換コース
今回は「有期従業員の方に長く働いてもらうためのルールづくり」の取り組みを実施した際に、助成金が受給される「高年齢者無期雇用転換コース」を解説していきます。
主な支給要件と受給額
主な支給要件
① 無期雇用転換計画の認定
有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する計画を作成し、当機構理事長に提出してその認定を受けること。
② 無期雇用転換計画の実施
①の無期雇用転換計画に基づき、当該無期雇用転換計画期間内に、雇用する50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換すること。
簡単にいえば、有期雇用のパート・アルバイトの方を無期契約にする取り組みをすることで、助成金のルールを満たすことができます。
また対象となる労働者は下記の条件を満たす必要がありますので、注意が必要です。
① 雇用期間は、事業主に雇用される期間(平成25年4月1日以降に締結された契約にかかる期間)が転換日において通算して6か月以上5年以内で50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者であること
② 転換日において64歳以上の者でないこと
上記条件は雇用から5年経過している場合に適用される「無期転換ルール」があることと、当該助成金は高年齢者を50歳以上としている点から来ています。転換後、6か月の勤務実態の証明が必要となりますが、64歳以上で転換した場合「高年齢者雇用確保措置」から希望者は65歳までが定年になります。転換直後に定年を迎えることになります。このような状況を避けるために「64歳以上の者でないこと」も気をつけなければいけないポイントになります。
受給額
対象労働者1人あたり48万円(中小企業事業主以外は38万円)が支給されます。
生産性要件を満たす場合には対象労働者1人につき60万円(中小企業事業主以外は48万円)となります。
1支給申請年度1適用事業所あたり10人が上限となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。定年年齢が70歳に引き上げられると予想される中で、65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期転換コース)は、今後、需要が高まっていく助成金だと思います。制度の内容を理解し、うまく助成金を活用していくようにしましょう。