助成金最新コラム
2019.12.12
従業員の給料をアップするその前に
従業員の給料が昇給・降給する際に、どんな手続きが必要なのか?
社会保険料の控除額はどうなるのか?など疑問に思う事業主の方が多いのではないでしょうか。
定時決定と随時改定
通常は入社時の社会保険加入手続きの際に、「標準報酬月額」(基本給のほか、資格手当、通勤手当、残業手当など各種手当を加えた1ケ月の総支給額)を決定し、毎年7月に提出する「算定基礎届」という書類に基づいて報酬月額と社会保険料が決定します。
参考:Q. 標準報酬月額は、いつどのように決まるのですか。
https://www.nenkin.go.jp/faq/nteikibin/teikibinkisainaiyo/nofujokyo/20140602-02.html
※日本年金機構ホームページより
大幅に給料が変わったときは、標準報酬月額を改定しなければなりません。これを随時改定と言い「月額変更届」を提出します。一般的には「月変(ゲッペン)」と呼ばれています。
標準報酬月額の決定・改定について
定時決定とは…被保険者の標準報酬月額は、昇給降給・手当に変動があったりするのが一般的なので、毎年4、5、6月の3か月の報酬の平均をとり各被保険者の標準報酬月額を実際の報酬(給与)と見合ったものに決定します。その後、9月分の保険料(10月給与控除)より変更され、原則的には翌年の8月まで適用されます。
随時改定とは…賃金に大幅な変更があった場合は、年度の途中でも「月額変更届」を提出し、保険料額が見直されます。「大幅な変更」とは、社会保険料は一定の賃金幅で区切られた等級ごとに決められているのですが、この等級が2等級以上変更になる場合です。
『固定給が2等級以上3か月連動して変動』というのがポイントです。
条件が変わる場合は労働条件を通知するのを忘れずに
基本給の変動があった場合や手当の変更があった場合は、口頭だけではなく、従業員と雇用契約書を交わし直して、双方に労働条件を確認するなど慎重に進めましょう。
後に、言った言わないという話になり、トラブルになる可能性があります。
まとめ
月額変更届の提出を忘れたり、間違えたりすると、社員の給与計算も間違ってしまうことになり、社会保険料の控除不足や控除しすぎが生じてしまいます。
給与計算のやり直しは会社にとって手間ですし、「会社は本当に正しく給与計算をしてくれているのかな?」と従業員も不安や不信を感じてしまうものです。
そのようなことにならないよう、正しく月額変更届を提出し、従業員と労働条件を確認することが大切です。