助成金のノウハウ
2023.03.17
キャリアアップ助成金正社員化コース|事前に完璧に整備しておきたい必要書類
こんにちは。
グロウライフ社会保険労務士法人 労務コンサルタントの竹田幸司です。
本記事では、キャリアアップ助成金「正社員化コース」の申請時に求められる4つの必要書類「出勤簿」「賃金台帳」「労働条件通知書」「就業規則」について、詳しく解説しています。
この記事を読み進めることで、以下のような疑問点が解消されます。
1. 4つの必要書類を整備する方法
2.書類を整備する際の注意点
3.申請時に労働局から指摘されるポイント
4. 必要書類で失敗しないコツ
助成金申請が難しいのは、計画書や支給申請書の作成よりも、この4つの必要書類にあると言っても過言ではありません。これらは、あわてて整備しようとしても間に合いませんので、事前に指摘されそうなポイントをテコ入れしてから、助成金申請をスタートしましょう!
助成金専門の社労士事務所であるグロウライフが、日々、助成金申請を代行している知見をもとに解説しますので、ぜひ参考にしてください。助成金を活用して、人件費の負担軽減を実現してください。
01 事前に整備しておきたい4つの必要書類|キャリアアップ助成金 申請
助成金申請の可否は、この4点セットの出来にかかっている!
キャリアアップ助成金「正社員化コース」に限らず、ほとんどの助成金の支給申請時に求められるのが「出勤簿」「賃金台帳」「労働条件通知書」「就業規則」、この4点セットになります。
労働局はこれらの資料から、事業主が人の雇用に関するルール(以下、労務管理)を守っているかをチェックしています。ルール違反が見つかると是正を求められ、内容によっては助成金が不支給になることもありますので、助成金申請の可否は、この4点セットの出来にかかっているといっても過言ではありません。
ですが、事業主の方々は皆さん忙しく、労務管理について学べる時間などほとんどない…というのが現実です。問題を抱えたまま人を雇用してしまい、もらえる筈の助成金をもらい損ねてしまっているというのが、多くの中小・零細企業の実態といえます。
労務管理は、事業主の方々にとって畑違いの分野だと思いますので、頭が痛いテーマなのだと思いますが、最低限のルールを守るための整備であれば、それほど大変な作業ではありません。むしろ、環境を整備してしまえば、帳簿類や労働条件通知書などのひな形は使いまわしが利きますので、全く負担では無くなります。
人を雇用していく上で、労務管理を適正に運用していくことは重要なことですので、助成金を活用するための4つの書類の整備は、一石二鳥の取り組みと言えます。多少のコストがかかるかもしれませんが、助成金を当たり前のように受給できるようになれば、軽く元は取れますので、是非、しっかり取り組んでください。
では、助成金の申請時に求められる4つの必要書類について、それぞれどのように整備していけばよいか、順番に解説させていただきます。
02 出勤簿|キャリアアップ助成金 申請
出勤簿とは?
出勤簿とは、従業員の始業・終業時間や休憩時間などの労働時間が記録された書類です。労働時間の管理は、一般的に「勤怠管理」と呼ばれている管理業務になります。
2019年4月に労働基準法が改正され、この勤怠管理はより厳密な管理が求められるようになり、労働時間は、タイムカードやICカードなどの打刻で就業時間を把握するなど、客観的な記録によるものでなければならなくなりました。
あまり知られていませんが、雇い主には従業員の労働時間をしっかりと把握する義務が課され、罰則も定められています。
法律上、従業員数による規定はなく、原則、1人でも従業員を雇っていればきちんと労働時間を管理しないといけないのですが、従業員の少ない事業所ほどこの点がルーズになりがちなので注意が必要です。
出勤簿を整備する際のポイント、注意点
ではなぜ、労働時間の管理が大切なのかというと、労働時間を集計した勤怠データは、給与計算をおこなう際の重要な情報だからです。
正しい給与計算をおこなうには、始業・終業時間だけではなく、休憩時間、残業や深夜労働、休日出勤などの時間を区分ごとに集計した正しい勤怠データが必要になります。
助成金の審査官は、勤怠管理や給与計算が正しくおこなわれているかを確認するため、出勤簿と給与明細や賃金台帳などを照らし合わせ細かく確認してきます。そのため、出勤簿の作成は、労務管理の基本中の基本といえます。
次に、キャリアアップ助成金「正社員化コース」の申請時によく指摘されるポイントをご紹介します。
労働時間は、基本的に分単位で管理するべきものなのですが、15分未満を切り捨てるなどの運用を採用している事業所さんをよくお見掛けします。
例えば、定時が18時でタイムカードの打刻が18時14分になったというような場合、18時以降に労働が発生していたならば14分は残業として扱わなければなりません。これを残業として扱っていなかったという場合は、賃金の未払いと見なされる可能性があります。
ただ、18時以降に労働は発生せず、同僚とおしゃべりをしていて打刻が遅くなったというのなら残業として扱う必要はありません。この辺りは臨機応変な運用で良いことになっています。事業主によっては「(終業後15分は時間外労働とみなさない場合がある)15分ルール」という呼び方で運用方法を定めているところもあったりします。
初めて出勤簿を整備しようとした際にやってしまいがちなミス
次に、時間外労働の集計方法を間違ってしまうパターンをご紹介します。
時間外労働については、1日8時間を超えたところからが残業扱いで22時を超えたら深夜扱いとなる、というところまでは、大抵、事業主の皆様はご存じだと思います。ですが、週40時間を超えた部分も時間外労働に該当するということをご存じでない方が割といらっしゃるのです。
例えば、月曜日から金曜日に8時間ずつ労働し、土曜日にも出勤した場合は週40時間を超過します。
この場合、土曜日の賃金はすべて時間外労働として集計する必要があります。
「日給月給制」を採用されていることが多い建設業の事業所さんなどでは、40時間超の管理に対応できていない状況をよくお見受けするので、注意が必要です。
他には、「1か月単位の変形労働時間制」を取り入れている場合なども注意が必要です。
このルールは「シフト制」とも呼ばれ、月単位で週平均40時間に労働時間がおさまっていれば、8時間を超過しても時間外労働として扱わなくてもよいという手法になります。
この制度を正しく運用するには、従業員に1か月分のシフトを事前に提示する必要があります。
「今日10時間勤務してもらったから、明日は6時間で帰っていいよ」みたいな運用は違法になります。
この部分を誤解してしまい、事業主に都合の良いように運用してしまうケースがありますので、注意が必要です。
出勤簿を整備する際の考え方
出勤簿の整備を検討されている事業主さまへのアドバイスとしては、従業員数と働き方で判断されるのが良いと思います。
従業員数10人未満で、ほとんど残業も発生しないようなシンプルな働き方であれば、無料のエクセル管理で十分だと思います。
仮に従業員数10人未満でも、残業が発生しやすい/時給制の従業員が多い/変形労働時間制を採用しているなどのやや複雑な働き方の事業所であれば、高度な計算式が設定された本格的なエクセル管理シートか勤怠管理システムの導入を検討されることをおススメします。
従業員数10人以上になってくると、エクセル管理では徐々に追い付かなくなってきますので、シンプルな働き方の事業所であっても勤怠管理システムの導入を検討されることをおススメします。
事業所によって、勤怠管理や給与計算を担当されている方は異なると思いますが、その手間もさることながら、絶対ミスをしたくないお仕事だと思いますので、便利なシステムがあるなら検討したいというのが本音なのではないでしょうか。
グロウライフでは、このような複雑な働き方にも対応した本格的なエクセル管理シートや勤怠管理システムの導入をサポートしています。最近の勤怠管理システムは、無料のものや1人当たり100円から利用できるサービスなどもありますので、そのようなシステムのご紹介も可能です。
助成金の申請にとどまらず、勤怠管理は大切な管理業務ですが、所詮、利益を生まない処理業務に過ぎません。ミスをなくし省力化するためにも、合理的なツールやシステムをご活用ください。
03 賃金台帳|キャリアアップ助成金 申請
賃金台帳とは?
賃金台帳とは、従業員の氏名、賃金の計算期間や労働日数など従業員への給与支払い状況を記載した書類ことをいいます。
賃金台帳には、基本給と出勤簿の実績に基づいて計算された時間外手当、その他手当、社会保険料や税金など各控除の額、そして差引支給額が記載されています。また、法改正によって労働時間の把握が義務化され、同時に賃金台帳への労働時間の記載が義務として課されるようになりました。
法律で作成・保管が義務付けられている書類なので、項目に不備があったり保存義務を怠ったりすると法律違反になってしまいます。違反の状況が悪質だと判断されてしまうと罰則の対象になることもありますので、注意が必要です。
賃金台帳を整備する際のポイント、注意点
賃金台帳の作成時に注意したいのは、給与計算のミスです。特に残業代の計算は、事業所の働き方によって単価などが変わってきますので、基本をしっかり押さえて取り組んでください。
まず間違えやすいのが、残業単価の計算です。
残業代の単価は「1時間あたりの単価×法定割増率」で求めます。
ここでポイントとなる「1時間あたりの単価」とは、時給の方であれば「その方の時給」、月給の方であれば「その方の月給÷月の平均所定労働時間」となります。
月の平均所定労働時間は「(365日-年間休日日数)×8時間÷12か月」で求めます。
ここでポイントとなる「365日-年間休日日数」とは、年間の労働日数のことで、
「(365日-年間休日日数)×8時間」とは、年間の所定労働時間のことです。
この年間の所定労働時間数を12か月で割ることで、月の平均所定労働時間が求められます。
因みに「年間休日日数」は、就業規則の休日の設定と労働条件通知書で取り決めた働き方とのつじつまが合っている必要があります。このことからも、4点セットの整備がいかに大切であるかが、お解りいただけるかと思います。
近頃は労働局や助成金センターのチェックも厳しくなってきており、残業代の計算根拠を具体的に求めてくることも普通にありますので、勤怠管理~給与計算が適正に実施される環境整備は必須といえます。
助成金申請時に不備を指摘されたら、どうなる?
では実際、助成金申請時に賃金台帳の不備を指摘された場合、どうなってしまうのかについて、お話しておきます。
仮に、賃金台帳の項目などに不備があったとしたらどうなるのか?
ここ1~2年の傾向としては、労働局の審査官が是正を求めてくるケースが増えてきています。ですが、対応できていないから即不支給になるということはありません。また是正を求められたとしても、適切に対応すれば、助成金は支給されますのでご安心ください。
次に、給与計算に誤りがあったとしたらどうなるのか?
コロナが落ち着いてきた頃からの傾向としては、残業代の計算について、非常に細かくチェックしていると感じます。ですが、よほど悪質な場合を除き、給与の不足分を計算して支給したことを証明すれば、ほとんどの場合、審査を通過していますので、ご安心ください。
労働局の審査官による審査基準は、都道府県によって異なりますが、審査の目が徐々に厳しくなってきているのは事実ですので、賃金台帳の項目のチェックや、給与計算の計算式に誤りがないかなどは、是非、確認しておいてください。
04 労働条件通知書|キャリアアップ助成金 申請
労働条件通知書とは?
労働基準法では立場の弱い労働者を保護するために、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定められており、労働条件の通知をおこなう手段として労働条件通知書の作成・交付が義務づけられています。
以下の項目は、労働条件通知書に必ず明記しなければいけません。
- 労働契約の期間
期間の定めの有無を記載。定めがある場合は、具体的な年月日を記載。 - 就業場所と従事すべき業務の内容
実際に働く店舗名や会社名と、具体的な業務内容を記載。変更の可能性がある場合、その旨も記載。 - 始業及び終業の時刻
業務の開始・終了時間を記載。シフト制など。 - 所定労働時間を超える労働の有無
残業があるかないか「有、無」の形で記載。 - 休憩時間、休日、休暇
休憩時間は「〇分」のように記載。休日は所定休日、休暇は年次有給休暇、代替休暇の有無などを記載 - 就業時転換に関する事項(労働者を二組以上に分けて就業させる場合)
日勤・夜勤など交代制勤務の場合、詳細を記載。 - 賃金の決定、計算及び支払いの方法
基本賃金、諸手当、時間外労働時の割り増し賃金の決定や計算方法を記載。 - 賃金の締め切り及び支払いの時期
賃金の締切日と、支払い方法を明記。 - 退職に関する事項(解雇事由を含む)
定年制の有無や継続再雇用の有無を記載。自己都合退職の際の手続きや解雇事由も明記。
労働条件通知書を整備する際のポイント、注意点
労働条件通知書作成の際のポイントとして解説してしまうと、少し語弊があるのですが、
そもそもキャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用契約で雇い入れた従業員を入社から6か月以上経過した時点で、正規雇用契約に転換することを条件に支給される助成金になります。
因みに最初から、正社員になることが決まっていたり、契約期間が更新されることが決まっている方は、助成金の対象者にはなりません。これはつまり、従業員を採用する段階ではなく求人募集の段階から、助成金の申請を念頭においておく必要があるということを意味します。
キャリアアップ助成金を確実に受給するのであれば、事前に助成金の要件を満たした労働条件通知書(ひな形)を作成しておき、求人から正社員化までの段取りを組んでおかれることをおススメします。
もう1点気を付けたいポイントは、労働条件に変更があったときの対応です。
手が回らないので、ちょっとした変更ぐらいでは、わざわざ労働条件通知書を更新したりはしていないというのが、小規模な事業所の現実だと思います。
ですが助成金の申請時には、賃金の改定時は勿論のこと、勤務している店舗の移動や手当の増減など、労働条件が変わるごとに、通知書を作成しておく必要があります。この時、通知書と賃金台帳との整合性なども細かくチェックされますので、祖語のないようくれぐれもご注意ください。
初めて労働条件通知書を整備しようとした際にやってしまいがちなミス
次に、よくやってしまうミスについてご紹介します。
毎月一定の時間外労働が発生するような事業所では、固定残業代(みなし残業代)などの名目で定額の残業代を支給されているところもあると思います。通知書には、月給のとなりに「固定残業代含む」みたいに記載しているケースもありますが、本来は「固定残業代40,000円(30時間分)を含む」のように記載する必要があるため、助成金申請時には、不備があれば確実に指摘されるポイントになります。
また、キャリアアップ助成金「正社員化コース」には、正社員化の前後6か月間の給与単価を3%以上アップさせるという条件がありますので、正社員化後の固定残業代には、特に注意が必要です。
賃金台帳のところでも解説しましたとおり、月給が3%アップするということは、固定残業代も3%以上アップするということになります。このことに気づかないまま、固定残業代を据え置いて支給申請してしまったりすると、高確率で不支給になりますので、このあたりは十分に気を付けてください。
雇用契約書との違いは?それぞれの役割は?
雇用契約書と労働条件通知書は、記載内容が非常に似ているため、混同されがちでが、雇用契約書は企業に法的な作成義務がないのに対し、労働条件通知書は書面として労働者に交付することが義務付けられている点が大きな違いです。
事業主には、採用した人に対して労働条件を通知する義務がありますが、「労働条件通知書」として独立した書類である必要はありません。労働条件通知書に記載すべき項目を、雇用契約書の中に記載する形式も認められているため、実務上は雇用契約書が労働条件通知書を兼ねているケースも多いので、もし、労働条件通知書をもらっていないという場合は、雇用契約書の内容を確認してみましょう。
最後に、労働条件通知書のひな形を厚生労働省のサイトからも手に入れることができるので、必要な方は、以下のリンクから入手して下さい。
参考資料:厚生労働省「一般労働者用モデル労働条件通知書(常用、有期雇用型)」
05 就業規則|キャリアアップ助成金 申請
就業規則とは?
就業規則とは、簡単に言えば職場のルールブックのようなものです。
労働時間、休日、服務規律など、職場のルールが網羅的に整理して記載されています。
内容によっては就業規則の中ではなく、別則として定める場合もあります。
労働条件通知書同様に、就業規則でも必ず網羅しなければならない記載事項があります。
これを「絶対的必要記載事項」と呼び、その項目は下記の通りです。
- 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
- 賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項
- 退職に関する事項
このほか、下記の事項については事業所で独自に定めをする場合、就業規則に記載しなければなりません。
これを「相対的必要記載事項」と呼びます。
- 退職手当に関する事項
- 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
- 食費、作業用品などの負担に関する事項
- 安全衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
- 表彰、制裁に関する事項
- その他全労働者に適用される事項
就業規則を整備する際のポイント、注意点
就業規則は、以下の2つの条件をクリアしていれば、会社で自由に定めることができます。
①法律で決まっている最低基準をのルールはクリアしていること。
②会社として明文化されていないものの、既に決まっているルールは待遇を保証する必要がある。
例えば、給与については、金額やルールなど就業規則に定めがなくても、実態として既に運用されているルールは、従業員の同意がなければ変更することができません。
また、常時使用する労働者が10人以上である場合、行政への届出が義務付けられています。
届出は、次のステップを経て、会社を管轄する労働基準監督署へ提出します。
<就業規則届出までの3ステップ>
- 会社側で就業規則を作成する
- 作成した就業規則を労働者へ周知し、書面にて意見を聴取する
- 2で聴取した意見書を添付し行政へ届出をおこなう
就業規則の内容は自由に変更しても、大丈夫?
就業規則を作成・変更した場合、周知する必要があるため、従業員の過半数代表者からの意見を聞く必要があります。
作成・変更の内容が、従業員の待遇をよくするような場合は意見を聞くだけで問題ありません。
ですが賃金をカットしたり、退職金の支給率を下げるなどの明らかな不利益変更の場合は、意見を聞くだけでは不十分で“同意を得る”必要があります。
このルールは、労働契約法において以下のように定められています。
『使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。』
よって、同意を得ていない労働条件の不利益変更は、訴訟を含めたトラブルのリスクを抱えることになり、もし仮に、一方的に変更した労働条件が法的に認められない場合は、元の条件での支払いが義務付けられてしまいます。止むを得ず、就業規則を不利益変更する場合は、くれぐれもご注意下さい。
助成金の制度を導入することのリスクは?
雇用助成金のほとんどは、従業員の労働環境を改善する取り組みを支援する制度です。
そしてそのほとんどは、就業規則に新たに制度を導入することが要件となっています。
ここで事業主の方にご注意いただきたいのは、助成金目当ての無計画な制度導入です。前述のとおり、新たに導入した制度は簡単に廃止することはできませんので、後々、コストを圧迫し経営の足枷となる可能性もあります。
そればかりか、A助成金の制度が導入されているためにB助成金を申請できないといったことも起こり得ます。助成金を申請する際は、専門家からメリット・デメリットについてしっかり確認し、その上で制度導入するようにして下さい。
最後に、就業規則のひな形を厚生労働省のサイトから手に入れることができるので、必要な方は、以下のリンクから入手して下さい。
参考資料:厚生労働省「モデル就業規則について」
06 まとめ|キャリアアップ助成金 申請
労務管理の環境整備まで追加費用なしでフルサポートします!
一般の社労士さんに「出勤簿」「賃金台帳」「労働条件通知書」「就業規則」この4点セットの整備を依頼したら、少なくとも10万円くらいの費用は請求されると思います。
でも、ご安心ください。
グロウライフでは助成金申請の手続き費用の範囲内で、労務管理の環境整備までフルサポートさせていただきます。『初めて従業員を雇うので、これから何もかも準備しなくてはならない、助成金はもらいたいけど先払いする費用が高額だと厳しい…』という方も、大きな負担なくスタートしていただけます。
助成金申請サポートの流れを簡単にご説明します。
まず賃金3%アップの金額・タイミングを試算する必要があるため、事業所がどのような働き方の職場なのか、対象者がどのような労働条件で働かれているのかをヒアリングさせていただきます。
また、助成金申請プランを作成するためのヒアリングではありますが「就業規則」「労働条件通知書」を作成するためのヒアリングを兼ねていますので、効率よく4点セットを整備していくことができます。
次に取り掛かるのは「出勤簿」と「賃金台帳」の整備です。
整備といってもこの段階では、労務管理に不備がないかの確認になります。直近6か月分の出勤簿・賃金台帳をお預かりし、現状の管理に問題がなければ、助成金申請プランをご提案いたします。
仮に問題があれば、改善案と助成金申請プランを併せてご提案いたします。
スタートアップの事業主さんの場合は、これからどのように労務管理をしていかれたいかをヒアリングさせていただき、できるだけ費用のかからない手法をご紹介させていただきます。
改善案は、手書きの出勤簿から高度なエクセルシートにクラウドの勤怠管理システムまで、事業主さんの予算やPCスキルと相談しながら、ご検討いただくことが可能です。
勤怠管理や給与計算は、日々の日次業務ですから、お客さまご自身で対応していただけるよう、しっかりサポートさせていただきますので、ご安心ください。
また、私共から助成金申請プランをご提案し、助成金申請サポートを正式にご依頼いただくまでは、費用は一切発生しませんので、お気軽にご相談ください。
最後に、なぜグロウライフが追加費用なしで労務管理の環境整備をサポートするのかについてお話します。
グロウライフは、助成金申請サポートに特化した運営をかれこれ10年近く続けておりますが、その第1号のお客様から、今なお助成金申請サポートのリピート依頼をいただいております。
労務管理を整備し、助成金を受給しやすい環境が整っていれば、従業員を採用するたびに助成金をもれなく申請することができるようになります。2回目以降は、格段にスムーズに申請を進めることができますので、ほとんどほったらかしの状態でも、助成金を活用していくことが可能になります。
弊社としても、申請を重ねるごとに段取りが良くなり、手間がかからなくなっていきますので、利益率が良くなります。私たちは、お客様とこのようなwin-winの関係を構築するため、まずは、助成金を受給していただくことを優先し、継続して助成金を活用していただけるよう労務管理の環境整備をサポートしています。
本記事では、キャリアアップ助成金「正社員化コース」の申請で最も大切といっても過言ではない「4つの必要書類」を整備する方法について、解説しました。助成金の支給申請時には、各書類の整合性をチェックされるなど厳しい審査がありますので、事前に以下の書類の状況をしっかり確認して、完璧に整備してから進めるようにしましょう。
・出勤簿
・賃金台帳
・労働条件通知書
・就業規則
書類をチェックするポイントは、
・勤怠管理~給与計算が適正に実施されているか確認すること
・助成金の要件を満たした労働条件通知書になっているか確認すること
・就業規則への制度導入は、そのメリット・デメリットを確認すること
キャリアアップ助成金の申請は、年々難易度が高まっており、専門家のサポートが不可欠な取り組みとなってきています。グロウライフ社会保険労務士法人では、助成金の無料相談を随時、受け付けておりますので、ぜひ、お困りの方は無料相談を利用して専門家のアドバイスを受けてみてください。キャリアアップ助成金正社員化コースを活用して、人件費の負担軽減を実現しましょう。
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