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助成金コラム

助成金のノウハウ

2023.11.10

人材育成に役立つ!社労士が教える人材開発支援助成金の全貌

こんにちは。
グロウライフ社会保険労務士法人 労務コンサルタントの竹田です。

本記事では、人材開発支援助成金について、その全貌から申請手順、活用のメリットとデメリットまでを詳細に解説します。助成金申請を検討している事業主の皆様にとって、申請手続きの煩雑さや適用条件の難解さが課題となっていると思います。この記事が、人材育成に関する助成金活用の一助となれば幸いです。

本記事で解説している重要なポイントは以下のとおりです。
1. 人材開発支援助成金の全体像
2. 各コースの助成率や助成額
3. 申請の流れと申請書類
4. 人開金のメリットとデメリット
5. 助成率・助成額を最大化する方法

助成金専門の社労士事務所であるグロウライフが、日々、助成金申請を代行している知見をもとに解説しますので、ぜひ参考にしてください。助成金を活用して、人材育成に積極的に取り組みましょう。

人開金×人材育成支援コースってどんなもの?

01 人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金は、雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

1.1 人材開発支援助成金の目的

人材開発支援助成金の目的は、国が助成することによって、企業が労働者のキャリアアップや人材育成に力を入れやすくすることです。企業が人材育成をするためには、さまざまな取り組みが必要であり、人数が増えるほど費用がかかります。しかし、人材育成やキャリアアップを怠ると、企業も労働者も成長することはできません。

大企業であれば、人材育成への投資も容易ですが、中小企業は資金不足で、人材を確保するだけでも精一杯という状況もあります。もちろん財源確保のためだけに申請をしても、本末転倒となってしまいます。人材開発支援助成金は、労働者の人材育成やキャリアアップによって企業の生産性向上に寄与することを目的としています。

1.2 対象となる事業主の要件

人材開発支援助成金は、複数のコースが設けられており、コースごとに対象となる事業主の要件が異なります。ですが、基本的な部分は同じ要件が適用されますので、そこから、ご紹介していきます。

各コースで共通する事業主の要件は、以下のようになります。

1 雇用保険適用事業所の事業主である
2 人材育成制度を新たに導入し、その制度を被保険者に適用した事業主である
3 事業内職業能力開発計画を作成し、労働者への周知が行われている
4 職業能力開発推進者を選任している
5 規定の期間内に、解雇等事業主都合により、雇用する被保険者を離職させていない
6 規定の期間内で、支給申請書提出日に記載された被保険者数が所定の割合を満たしている
7 従業員に職業訓練を受けさせる期間中も、当該従業員に対して適切な賃金を支払っている
8 助成金支給に必要な審査書類を整備し、5年間保存している
9 助成金支給、または不支給の決定において、必要に応じて、指定された書類を提出・提示または実地調査などに協力する

02 人材開発支援助成金の全コースの概要

人材開発支援助成金は、7つのコースで構成されています。ここでは、それぞれのコースの概要や助成額・助成率、令和5年4月1日の制度改正の詳細について解説します。

2.1 人材開発支援助成金の7つのコース

1)人材育成支援コース
雇用される労働者に対して、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

2)教育訓練休暇等付与コース
事業主以外が行う教育訓練等を受けるために必要な教育訓練休暇を従業員に与えることで、自発的な職業能力開発の取り組みを支援する制度です。教育訓練休暇を取得させた場合に、その経費や休暇期間中の賃金の一部が助成されます。

3)人への投資促進コース
デジタル人材や高度な人材を育成する訓練、従業員が自主的に行う訓練、定額制の訓練(サブスクリプション型)などを実施した場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などが助成されます。

4)事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、従業員を新たな分野で必要な知識とスキルを習得させるための訓練を実施した場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

5)建設労働者認定訓練コース
認定職業訓練や指導員訓練において、建設関連の訓練を実施した場合には訓練経費の一部、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合には訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

6)建設労働者技能実習コース
建設労働者を雇用し、技能向上のための実習を有給で実施した場合は、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

7)障害者職業能力開発コース
障害者の職業能力開発や向上を目的とするため、一定の教育訓練を継続的に提供する施設の設置・運営を行う際には、その費用の一部が助成されます。

2.2 各コースの助成額・助成率

各コースの助成額・助成率は、以下のようになります。

1)人材育成支援コース

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」

2)教育訓練休暇等付与コース

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース)のご案内」

3)人への投資促進コース

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(人への投資促進コースのご案内)」

4)事業展開等リスキリング支援コース

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内」

5)建設労働者認定訓練コースと建設労働者技能実習コース

参考:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金のご案内」

6)障害者職業能力開発コース
①施設または設備の設置・整備または更新

障害者職業能力開発訓練事業を行う訓練科目ごとの、施設または設備の設置・整備または更新に要した費用に3/4を乗じた額が助成されます。

②運営費

1 重度障害者等を対象とする障害者職業能力開発訓練
■1人あたりの運営費に4/5を乗じた額(上限月額17万円)、支給対象期における訓練時間の8割以上を受講した者の人数を乗じた額
■支給対象期における訓練時間の8割以上を受講しなかった者については、1人当たりの運営費に4/5を乗じた額に、支給対象期における訓練時間数を分母に、当該者の訓練受講時間数を分子にして得た率を乗じた額
2 上記1以外の障害者を対象とする障害者職業能力開発訓練
■1人あたりの運営費に3/4を乗じた額(上限月額16万円)、支給対象期における訓練時間の8割以上を受講した者の人数を乗じた額
■支給対象期における訓練時間の8割以上を受講しなかった者については、1人当たりの運営費に3/4を乗じた額に、支給対象期における訓練時間数を分母に、当該者の訓練受講時間数を分子にして得た率を乗じた額

3 重度障害者等が就職した場合には、就職者1人当たりに10万円を乗じた額

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)」

2.3 令和5年4月1日の制度改正の詳細

人材開発支援助成金は、令和5年4月1日から以下の制度改正が行われています。

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金を利用しやすくするため令和5年4月1日から制度の見直しを行いました」

03 人材開発支援助成金の申請に関する情報

ここでは、人材開発支援助成金の申請の流れと、主な提出書類について説明します。

3.1 人材開発支援助成金の申請の流れ

人材開発支援助成金の申請の流れは、以下のようになります。各コースによって、異なる部分もありますので、詳細は公式ホームページなどでご確認ください。ここでは、「人材育成支援コース」の申請の流れを紹介します。

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」

3.2 主な提出書類の一覧

人材開発支援助成金「人材育成支援コース」の主な提出書類は、以下のようになります。人材育成支援コースでは、以下の書類とは別に、訓練メニューごとで必要な書類もありますので、手引きなどで確認しておきましょう。

04 人材開発支援助成金の利用について

人材開発支援助成金を実際に利用するにあたっての、メリット・デメリットや注意事項について解説します。

4.1 人材開発支援助成金のメリット

1)費用負担を抑えて人材育成できる
人材開発支援助成金を活用すれば、訓練の受講費、訓練期間中の賃金の負担が大幅に軽減されますので、事業主にとっては、人材育成に積極的に取り組むことが可能になります。

2)従業員のキャリアアップが図れる
人材育成に積極的に取り組むことで、従業員の知識・技術が向上します。また、高度なスキルを身に付けることで従業員のモチベーションも高まり、生産性向上を期待することが可能になります。

3)返済不要の助成金がもらえる
助成金は、融資とは異なり、返済する必要がないお金を受け取ることができます。返済の心配がないため、思い切った人材育成に取り組むことができるのが、人材開発支援助成金のメリットです。

4.2 人材開発支援助成金のデメリット

1)申請の手続きが難しい
人材開発支援助成金を受給するには、所定の手続きが必要ですが、申請に添付する必要のある書類が多く、申請手順に基づいて進める必要があるため、自社で申請するのは非常に困難です。本業が忙しく、制度の理解に時間を割けない事業主にとっては、この点がデメリットと言えます。

2)年度ごとに制度が見直され手続きが複雑
近年の人材開発支援助成金は、制度の新設・統廃合が頻繁に行われているため、要件が解り辛くなっています。また、要件が緩和されている部分もあるため、どのコースでどのように申請するのが、最もメリットがあるかなどをリサーチするのは、極めて困難であると言えます。

4.3 利用する際の注意事項

人材開発支援助成金の申請を検討されているのであれば、まず自社の人材育成のニーズを明確にてください。どの階層のどのような職種の従業員に、どのような研修を実施するのか、といった具体的な訓練実施計画を立て、その内容に応じて、適切なコースを選択する必要があります。

また、受講したい研修に対して、受講させたい労働者が、その要件をクリアしているかなどの確認も重要で、研修の始まる1か月前までには、訓練実施計画を労働局へ提出しなければなりませんので、研修を実施されたい日程なども考慮して、準備を進める必要があります。

また、人材開発支援助成金の対象となる訓練には、事業場内訓練と事業場外訓練の二つのパターンがありますが、それぞれ助成額の計算方法が異なりますので、受講費用に対し助成金がいくら支給されるのかなどは、事前に労働局の窓口で確認されることをおススメします。

05 人開金の効果を最大化する研修プラン

前述したように、人材開発支援助成金は、事業場内か事業場外か、更には費用の設定方法などによっても、助成金の受給額が大きく異なってきます。この助成金の恩恵を最大限享受するには、助成率・助成額が最も良くなる設定で研修プランが組成されている必要があります。

これから企業向けの研修を企画・設計される講師の方であれば、このような考え方のもと、研修プランを組成することが出来ると思います。助成金で受講費用の一部が賄えるということであれば、お客様へも提案しやすくなると思いますので、是非ご検討ください。

06 まとめ|人材開発支援助成金

この記事では、人材開発支援助成金の基本的な概要、利用する際のメリットやデメリット、注意点などについて詳しく解説しました。以下にその要点を再度まとめます:

1. 人材開発支援助成金は、研修の受講費用と研修受講時の賃金の一部を助成する制度。
2. 7つのコースがあり、対象となる研修、助成額・助成率が異なるため、状況に応じて選択する必要がある。
3. 受講したい研修に対して、受講させたい労働者が、その要件をクリアしているかなどの確認が重要。
4. 事業場内か事業場外か、更には費用の設定方法などによっても、助成金の受給額が大きく異なる。

人材開発支援助成金は、企業の成長に大いに役立つ制度であり、経済状況が厳しい今こそ、積極的に活用すべき制度です。しかし、申請は年々難易度が高まっており、専門家のサポートが不可欠な取り組みとなってきています。

グロウライフ社会保険労務士法人では、助成金の無料相談を随時、受け付けておりますので、ぜひ、お困りの方は無料相談を利用して専門家のアドバイスを受けてみてください。本記事が人材開発支援助成金の理解と活用の一助となることを願っています。

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